ジャイプールで目的の宝石にたどり着くのは、決して容易ではありません。牛たちの尻尾や落とし物をよけながら、行き交う人々の鋭い視線を受け流し、いくつもの路地を歩き、幾重もの扉をくぐります。
ようやく目的地へ着いたと思えば、住所の場所に目当ての店が見当たらないこともしばしば。その場で電話をかけ、人から人へと道を尋ねながら目的地を探していく。まるでRPGの世界を旅しているような感覚です。
そんな旅の途中、疲れた心をそっと癒してくれるのが、迷路のような街並みの中にひっそりと姿を現す、美しいハヴェリでした。
ハヴェリ(Haveli)とは、北インド各地に残る伝統的な大邸宅や宮殿のこと。100年以上の時を重ねながら大切に受け継がれ、修復を繰り返し、今もなお人々の暮らしに溶け込んでいます。
外の喧騒が嘘のように、門をくぐるとそこには静寂が広がります。
中庭には色鮮やかな山丹花が咲き、木々の葉が風に揺れる音だけが静かに響く空間。レストランを併設したハヴェリも多く、私たちも、ほのかにクミンが香るフレッシュトマトのスープで、旅の疲れをゆっくりと癒しました。
そんなハヴェリで出会ったのが、宝石商でありデザイナーでもあるセス氏です。
先祖代々受け継がれてきたハヴェリの一角にアトリエを構え、愛犬が静かに寄り添うなかで、日々ジュエリーのデザインを手がけています。
ジャイプールでは、宝石に携わる仕事が人々の暮らしに深く根付いています。今回出会った人のなかには、宝石商でありながら医師でもあり、「ドクター」と呼ばれている方もいました。宝石は、この街では特別な産業ではなく、人々の日常の延長線上にある仕事なのだと実感します。
アトリエで見せていただいたジュエリーは、工程ごとに専門の職人へ受け継がれながら制作されるもの。22金をはじめとする高純度の金を用いた、糸のように繊細な金細工や、色鮮やかなインド七宝。その精巧な手仕事には、思わず息をのみました。
用いられている宝石もまた、インドならではの個性的なカットが施されています。ルースからビーズに至るまで一つひとつ丁寧に確認しましたが、品質はどれも申し分なく、この土地が世界有数の宝石産地であることを改めて感じさせてくれました。
今回、私たちの心を癒してくれた美しいハヴェリで出会ったジュエリーを、「Haveli Collection」としてご紹介します。あわせて、インドの熟練研磨士によって磨き上げられたエメラルドのビーズブレスレット、そしてインドで神聖な存在として大切にされている牛の彫像もご用意しました。
ジャイプールの空気や職人たちの想いとともに、その美しさをぜひご覧ください。
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