石名から探す

は行

エスペランサと炎の守護

私たちのスペイン巡礼の旅は、
アストゥリアス海岸線から最終地のバルセロナへ。

途中どうしても手に入れたかったのは、
経由地のカンタブリアとバスク地方に鉱山のある
スファレライトとパイライトたち。

ダイヤモンドよりも光の分散率の高いスファレライトが発する、
燦然たるフェニックスのようなエネルギー。

そして、未来的でメタリックなフォルムから感じさせる、
ギリシャ神話の戦神のようなパイライトの守護力。

それはまさに、数多くの民族や文化が交じり合う、
激動と変革のダイナミックな歴史のなかに
射してきた陽の力にも感じられる。

戦いを冥(くら)い世界のものだけともせず、
対峙した者でなくては見えない高嶺もみせてくれた。
"エスペランサ"
それはスペイン語で希望。
愛する者を守るため、戦うその姿は真毅もなく美しい。
希望の炎を掲げ、瞳をメラメラと輝かせ邁進し、
跡形もなく蹴散らしてゆく。
生命力とセンシュアルな魅力の交差。

「心配はいりません。
何があろうと全精力をかけてあなたを守ります。
あなたが心から望む"答え"が灼熱の太陽にあろうとも、
焼かれることなく、手にしていける炎の力を与えましょう。」

その答えは希望。
エスペランサは、あなたに輝く守りの石となる。
chapter01

Pyrite

パイライトの騎士

スペイン バスク地方のアルカラマ山脈に連なる山腹に拓けるビクトリー鉱山。この地で産出されるパイライトは、その鏡のような明るさと完璧な立方体が「世界最高のパイライト」とも称されており、メタリックで未来的な造形が実に魅力的です。

自然の発生におけるパイライトは、酸化の程度も形状も異なりますが、私たちはその中から、研磨後に表面にプリミティブなテクスチャと美しい光沢を残すに最適な原石だけを選り抜きジュエリーにしました。

chapter02

Phoenix on Sphalerite

不死鳥のような生命力、スファレライト

まるで太陽フレアのように、燦然とした光が踊り輝くスファレライト。ダイヤモンドにも負けないギラギラとした光の分散は、見るだけで体が火照ってくるようです。

その華やかな光を少しでも引き立たせるには、研磨が大変重要となりますが、今回のスファレライトはすべてスペイン人の熟練カッターが手がけています。ファセットカットされた大粒のルースは、インクル―ジョンの多いスファレライトの中で奇跡のようなクリアな透明感を誇っており、市場で見ることがほぼないレベルばかり。

そして、炎の力を蓄えたような象、器、スカラベを彫刻レベルに研磨したカッターは、実は大変なご高齢で、この作品たちを最後に引退をされてしまいました。今後まず出会える可能性が少ない、希少なスファレライトばかりです。ぜひご覧ください。